数寄屋門の制作
 玄関脇に「数寄屋門」を・・・
  2011年
 庭づくりの中で、念願でした玄関脇の数寄屋門(・・・・当然、TANUKI が作れば「数寄屋門もどき!」ですが・・・・)に挑戦しました。
 まずは数寄屋門の構造を知らなくては・・・・と、ネットで作り方を探してみましたが、業者さんの宣伝ばかりでした。こんな物を作ろうなんて物好きはいないのかな? それにしても、業者さんに頼むとすごい値段なのですね。びっくり!
 とりあえず、業者さんのカタログをダウンロードして、だいたいの形と構造をインプット。次に造園業者さんのところに行って現物を見せてもらいました。さすが、きれいだわ〜!
 しかし、造園業者さんのところで写真に撮ったりは・・・・さすがに・・・・ね。もっと細かく観察(?)できる方法はないかと悩んでいて・・・・ふと、TANUKI の叔母の家にあることを思い出しました。ここなら写真に撮ろうが、叩いてみようが蹴っ飛ばそうが・・・・もちろん、そんなことはしませんけど・・・・OKですから!
 早速、行って細かく調べて(観察して?)来ました。おかげで、何とか基本的な構造はわかりました。これって、素人の強みですかね・・・・。我ながら怖い!
柱の入手と加工  2011年
丸太の加工をしています 基礎に差し込む部分の加工 桁木を通すホゾ穴をあけました
和田丸太の加工と塗装がすみました 桁木の加工中
 材料は前から少しずつ準備してました。まずは柱・・・・退職する少し前、周南市の森林組合の組合長さんと話をしてて「間伐材で要らない丸太はない?」「何に使うの?」「実はこんな門を作ってみたいんだけど・・・・捨てる丸太があれば譲ってもらえませんか?」と相談をしました。そうしたら「間伐材はあるけど・・・・柱にするのはどうかな〜。 それなら、商品にならない和田丸太をあげよう」って言ってくださいました。「和田丸太」というのは、周南市の和田地区で作られてる有名な絞り丸太です。ちょっとひび割れや傷があるので商品にはならないとのことで、2本ありがたくいただきました。しかし、そのままでは車に乗らない!・・・・もったいないな〜と思いながらチェンソーを借りて、乗用車に入るぎりぎりの長さに切って、車に押し込んで帰りました。
 もうひとつ・・・・どうしても使いたかったのは、前の巣の「付書院」(純和風だったのです)で使っていた松材の板。前の巣を解体するときにとっておいた物です。22mm厚で真っ直ぐなきれいな柾目板です。ずっと前にTVで唐招提寺の解体修理を放送していましたが、その中で棟梁さんが「1cmの中に10本以上の年輪が入った材でないと使えない・・・・」と言っておられましたが、この材も十分にその要件を満たしてます。これは桁木に使うことにしました。とはいうものの・・・・桁木にするためには、小さい寸法に切り刻んでしまいますし、和田丸太も外で使うためには塗装しなければなりません。いずれも本来の良さを損ねてしまいます。残念ですが・・・・。

 ・・・・ということで、無事定年退職して毎日が日曜日になったのを機に、まずは丸太の加工から始めましたが・・・・これが、想像以上に大変でした! 最初は「ま、何とかなるだろう・・・・」と気楽に作業を開始したのですが・・・・最初から苦戦! 今まで丸太なるものを扱ったことがないので、どうやって中心を出したらよいのか見当も付きません。とりあえず、柱の上から下へ真っ直ぐに墨を打てばよいのでしょうが、それすらできず悪戦苦闘の連続でした。おまけに、TANUKI の持っている道具は、ノコやノミは安物だし・・・・研ぐ腕もない。研いだら、かえって切れなくなる! とうとうノミは研ぎ屋さんに持って行って研いでもらいました。それでも、ホゾ穴を1つあけるのに1日がかりでした。
 まあね・・・・時間はたっぷりあるんだから・・・・それに、納期なんてないんだし・・・・。
基礎づくりと柱建て  2011年
埋め込み用の基礎を並べています 柱に桁材を差し込んで・・・柱建て 基礎にセメントで固めました
柱を建てています 棟木を取り付けて・・・とりあえず一段落!
 季候も良くなって、外仕事も快適になりました。とはいうものの、門作りを始めてからずっとTANUKI の秘密基地に籠もって、ひたすら柱材の加工の毎日でした。
 さて、柱の加工ができたところで・・・・次の問題は、どう建てるかです。造園業者さんの話では、自立させるためには柱の1/3以上を地面に埋め込むこと。地面に埋める部分は防腐処理を確実に。できれば銅板などで柱を巻くこと・・・・と教えてもらいましたが、あいにく、柱を建てたい場所の真下に配水管が通っています。とてもそれだけの深さは掘れません。それに柱は、持って帰るために短く切ってしまってますから、それだけの長さもありません。
仕方ないので、前回パーゴラを作ったときと同様に柵用の埋め込み基礎を用いて、さらにもう1本、柱を後ろに添えることにしました。TANUKI の巣は、結構風が舞う場所ですから少々不安は残りますが・・・・背に腹は代えられないので!

 ms.TANUKI が「棟上げは、やっぱり大安の日にするの?」「えっ?!まさか・・・・」。だって、たかが門ですよ・・・・それも素人作品の数寄屋門もどき(!)・・・・いくらなんでも、そこまではね。
とにかく棟に載っける柱材の加工が先ですよ・・・・と、またまた数日間悪戦苦闘をして、やっとできて、上に載せて・・・・やれやれと一息ついて、ふとカレンダーを見たら偶然にも「大安」でした(笑!)。
屋根づくり  2011年
屋根に垂木を打ち付けて・・・ 杉板を貼っています・・・ 杉板を貼り終えました!
下から見たら・・・ 破風板の制作中! 破風板を貼りました!
 垂木を打ち付けて・・・野地板を貼って・・・屋根の形ができました
 作り始める前に、ちょっと遠くのホームセンターで柱材と垂木代わりに30mm角材などを買い込んできました。TANUKI の巣の周辺では一番資材が揃っています。ちょっと遠いのが難点ですが・・・・。野地板用には、サネ加工がしてある杉板(壁材と思います)が束ではなく半端の特価品として出てましたので喜んで買いました。
 ところが・・・・作ってみると、野地板が足りない! 実は、最初の設計段階は、もう少し幅が狭かったのです。基礎を作る段階で、ms.TANUKI に「もう少し広くしてよ!通りやすい方が良いよ!」と言われ、それももっともだと広げてしまったのです。その結果、屋根が1.5倍ぐらい面積が広くなってしまいました。当然、野地板が足りません。それはともかく、よく考えてみたら・・・・檜皮葺にするとして、材料費がとても高くつきそうです。でも・・・・今更、後の祭り!
 とりあえず野地板・・・・壁材の杉板です。昔は焼き杉の壁とかありましたが、今時このような壁材を使う人はいないようで・・・・周辺のホームセンターには売ってませんでした。最初に買った所まで行くのも遠いし、あの時、半端材で出てたのを全部買い込んでしまったし・・・・。ちゃんとしたのを買えば高いかも・・・・。いろいろ悩んだ末、ふと思いついたのが田舎(失礼!)。まだ杉材の壁を使ってる家が多いところなら補修用に売ってるかも・・・・。峠を越えて隣の町まで行ってみました。 ありました! ちょっと質は悪かったのですが、束売りで価格もリーズナブルでした。でもね・・・・今度は余っちゃうんだよね。あまりは何に使おうかな〜。
 屋根の端に破風板を付けて・・・・とりあえず屋根の形はできあがりました!
檜皮葺・・・もどき?  2011年
杉皮を並べています・・・ プラ竹を組んで杉皮を押さえて・・・・ なんちゃって檜皮葺の完成!
 まずは屋根を葺かなきゃ・・・・屋根は檜皮葺(!)に憧れていました・・・・でも、どうすれば、それらしく出来るか・・・・所詮ちゃんとした(?)檜皮葺など無理なのですから『檜皮葺もどき!』『なんちゃって檜皮葺!』が出来れば・・・・。
 屋根材は、以前、行きつけの園芸店で杉皮を売ってるのを見つけていました。でも、結構なお値段です。しかも、ちょっと大きく作りすぎてるので、1束じゃ足りない・・・・。無理して買ってきたとして・・・・問題は、この杉皮をどう留めるかです。
いろいろ考えて、竹で押さえる方法を思いつきましたが・・・・竹だったら数年で腐ってしまいそうなので、プラスチックの竹を組んで押さえることにしました。
 ここで課題が1つ。園芸屋さんとかが結ぶ「いぼ結び」・・・・何度も挑戦するけど、うまく結べない! 仕方ないのでプラ竹をビス留めしてシュロ縄でそれっぽい結び目を作ってごまかすことに・・・・。でも、まあ、それっぽく見えるから良いのでは・・・・(単なる自己満足だけど・・・!)
欄間・戸の制作  2011年
欄間?飾り・・・・花台の再利用です 戸を付けるために木を沿わせました 戸を作っています
プラ竹を入れ込みました 戸の鍵とあおり止め 戸が完成しました
 いよいよ、戸の製作にかかりますが・・・・戸を作るにあたり、考えなくてはならないことが2つ。 まずは、丸太(和田丸太)に戸を直接つけるのはTANUKI の技術では無理のようです。だって、丸太って上と下とは太さが違うので、そのままでは垂直にならない! これは、丸太の内側にもう1本、木を沿わせることで何とか解決しました。
もう1つは、TANUKI の庭はとにかく風当たりが強いこと。目の前に13階建てのマンションが出来たこともあって、いわゆるビル風が舞います。台風とか接近しようものなら、風の吹きだまり状態になってしまいます。TANUKI の技術でできる範囲で、できるだけ風を受けない構造を・・・・と、いろいろ考えて思いついたのがスケルトン(!)。竹を並べて戸にすれば・・・・これなら風は受けません!
しかしながら・・・・できあがってみると、やっぱり「素人づくり!」って感じはしますけど・・・・ま、とりあえず・・・・これで我慢です!
数寄屋門(・・・もどき)完成!  2011年
数寄屋門(・・・もどき!)が完成しました! 玄関前が、なかなか良い雰囲気になりました
 今までのDIYの中では一番苦労したような気がしますが・・・・何とか完成しました。
でも・・・・なかなか良い感じにできあがったような気もします。玄関前が、ちょっと良い雰囲気になりました。
数寄屋門風の門を作ってみたいという長年の夢が叶いました。ご近所の方からは「この門、良いですね〜」とか「えっ、自作? 嘘でしょ?」なんてお世辞半分のお言葉をいただきましたが・・・・肝心の家族の方は・・・・久しぶりに帰ってきた娘も息子も、全く何の反応もなし! 「これ、どうだ?」と水を向けてみても・・・・「あ、そう・・・・作ったの? ふ〜ん」って・・・・いくら親子だからって、せめて世辞の一つぐらい言えよ! 全く!!